「映画、面白かったね」
「そいつは良かった」
「見たかったんだよ、アレ」
「最後に誰かがヘマやらかしたからな」
「うぅ、言わないでよう、天斗だって遅刻したじゃないかぁ
「それは本当にすまん」
今日の出来事を話しながら飯を食う。
「ねえねえ、記憶喪失って何処まで忘れるの?」
盛り上がってきた所で観登がそう尋ねてきた。
「そうだな、昔のことは大概忘れた」
「たいがい?」
「ああ、親のことくらいは覚えてたみたいだけど」
「聞いていい?」
「ああ」
「昔の海の事も忘れちゃったの?」
「海の事?何のことだかわかんねーからな、忘れてることだと思うぞ」
「そうかぁ」
観登は少し寂しそうな顔をした。
「何かあったのか?観登と」
「大したことでは無いんだよ」
そうは言ったものの観登は寂しそうだった。
「でもこれから色々思い出を作ればいいんだよね!」
「まぁ超前向きに考えればそう言う事だな」
「頑張るよ!!」
何をだ?
「天斗、たまに一緒に遊びに付き合ってくれない?」
「ああ、まぁかまわんが・・・俺のおごりだったら行かないぞ」
「わかってるよー、私だってバイトしてるんだから」
・・・マジ?
「ただ、日曜は競馬に行くからなぁ」
「確か学生って馬券買えないんじゃなかったっけ?」
「当たり前だ、だが馬券を買わなくたって競馬は面白いのだ!」
「へー、じゃあ競馬の魅力って?」
「ああ、自分の好きな馬が勝ったりだとかしたら狂喜乱舞だ、さらにその馬が引退して子供が出来て走り出したらまた応援したりだな」
「うんうん」
観登は話に引き込まれてる。
「誰かが当たったらおごって貰ったりとか、自分が当たったら先を見通せたんだという充実感があったりとか、その一週間は豪勢に暮らせたりだとかだな」
「やっぱり買ってんじゃん!!!」
「確か俺の記憶では『小学生生徒は馬券の購入禁止』のはずだ」
「無茶苦茶だよー」
いろんな話をした。
気づいたらもう21時を回っていた。
「今日はほんとにありがとう」
そう観登が別れ際の挨拶をする。
「気にするな、約束だからな」
「約束、もう一個したからね」
「・・・何だっけ?」
「たまに一緒に遊びに付き合ってくれるって!」
「ああ、わかったよ」
「・・・でも嬉しかった」
「そうか」
「うん、子供の頃からの夢だったから」
「夢?」
「何でもないよ。じゃ、またね」
「あ、ああ」
「また電話するねー」
そういって観登はJRの駅へと消えていった。
俺もそのまま阪急に乗って帰る事にした。
特急に乗る
もうこんな時間か。
最初は面倒だったけど結構楽しかったな。
観登は聞き上手だな。
俺があんなに話をするだなんて。
まぁ、また遊んでも良いな。
家に帰り風呂に入る。
テレビをつけたら深夜番組が楽しかった。
わはははは
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