そしてその週の金曜日。
「お前、海南ちゃんに届け物してるんやって?」
同好会で明日の予想をしてる時に、遅れてきた雄一郎が開口一番聞いてきた。
「なんやと!」
「うそ!!」
潤也も篤も驚いている。
「あ、ああ、持って行かされてる、まったく面倒な話だ」
「なんやてーーー!!!」
「コイツ面倒くさいって言いやがった!」
「ブッ殺す!」
何をいきり立ってるんだこいつら。
「お前なあ、海南ちゃんかわいかったろ?」
雄一郎が聞いてくる。
「いや、実は合ってないんだ」
「うそつけ!」
「マジだって」
「畜生、山本もこんなヤツに持って行かせなくても俺が行ってやるのに」
雄一郎が歯ぎしりして悔しがる。
「お前は隣のクラスだろーがよ」
「しかし山本もなんでこんな価値のわからんヤツに持っていかせるんだ?」
篤が言う。
「価値?」
「よしわかった、俺が離してやるからよーく聴け」
そう言って潤也が話し始めた。
なんでもその海南という女、やたらもてるらしい。
中学時代に告られた数が100に近いとか。
男が苦手で全部断ってたとか。
高校の入試の成績が一番だとか。
でも、1年の2学期からほとんど入院してて、登校が1週間に一回、1ヶ月に一回、
やがてほぼこなくなったとか。
その他色々。
「と、いう子だ」
「ほう、ま、会っても無いからなんとも言えないけどな」
「しかし知らずに持って行ってたとはな」
「で、なんでお前が行く事になったんだ?」
「教師へのご機嫌取りさ、進級ヤバいからな。正直めんどくさい」
「全くうらやましいこった」
「出来れば変わって欲しいくらいだよ」
土曜日曜とも競馬に行く。
「月曜からテストだから競馬なんて行くのやめよう」
なんて殊勝なこというやつは一人も居ない。
土曜は皆負けたが日曜はまぁまぁだった。
メインを外しこそすれ、8.9.10Rをきっちりゲット。
3万の儲けだ。
雄一郎は4万を超える儲け。
潤一郎は+−ゼロと言ったところ。
篤は2千円プラス。
テスト攻略と言う名目で飯を食いに行く。
雄一郎と俺のおごりだ。
まぁ教えてもらわなきゃいけないのは俺ら二人だから仕方ないよな。
勝った負けたなんて関係ない。
ま、予想通り勉強の話なんてこれっぽっちもしなかったんだけど。
翌日から始まる実力テスト。
結果?
ああ、次の週に返ってきたよ。
一個は上だったさ。
意味がわからん?
最下位ではなかったって事さ。
最下位 雄一郎
ブービー 俺
留年 決定かな?
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