文化祭3日前の夜。




ぷるるるる

ぷるるるる



何で電話が玄関にあるんだよ。
俺の部屋二階なのに。


「もしもし」

「あの私、山羽 観登と言いますけど」

「観登、前も言ったけどフルネームとかいらなくね?」

「なんだ天斗か〜」

「俺、両親が単身赴任だからずーっと一人暮らしなんだよ、だからほとんど出るのは俺だから」

「ホントに?」

「ああ、ホントだ」

「じゃあご飯とかどうしてんの?」

「世の中にはコンビニとか弁当屋とか便利なところが一杯ある」

「体大丈夫?」

「まあな、それにたまに母親が帰ってきたときにメシ作り置きして冷凍してくれてるしな」

「大変だね」

「そうでもないさ、で、どうした?」

「ああそうだ、天斗の学校の文化祭いつ?」

「ウチか?今度の土日だな」

「え〜日曜日うちもなのにー」

「え〜の意味がわからん」

「あーあ、一日だけか〜。じゃあさじゃあさ、土曜日行っても良い?」

「てかこれたら二日とも来る気だったのかよ。良いけど俺自分のとこからほとんど動けないぞ」

「え?天斗部活やってんの?」

「まぁ同好会だけどな」

「何の同好会?」

「競馬同好会」

「そんなのあるの!」

「ああ、雄一郎と作った」

「師匠となんだ、へ〜〜、あ、そうそう、うちの学校の子も連れて行っていい?」

「ん?いいんじゃないか?俺の名前書いて入ってきたら良い」

「楽しみになってきたよ〜」

・・・そうか?

「言っとくけどね、全員可愛いんだから」

「へぇ」

「天斗が好きになっちゃうかもだよ」

「無いな」

「何で?」

「女とかそんなに好きじゃないってーか、女友達はいないな、隣の家の美幸くらいか」

「ふぅん、でも私とは話してくれるじゃない」

「そうだな、おかしいな」

「うん、おかしいね」

「じゃあ競馬同好会の部屋で待ってるわ」

「じゃあ土曜日にね!」

「ああ、俺は競馬同好会のところにいるから」

がちゃり

これで土曜の客も獲得できたな。

ちょっとラッキーだ。



日が変わって

いよいよ明日は文化祭。


「いや〜今回の文化祭は楽しみやな〜〜」

「全くだ、一位争いだろうな」

「吹奏楽と同時間だったけど連中時間ずらしたぜ」

潤也の言う通り吹奏楽が日曜午前に時間を変更した。

「当日券の準備は出来たしな」

親も来るだろうから50枚ほど当日券を用意。
倍以上の500円の値を付けた。

「明日の予想大会はみんな完成したか?」

「ああ、万全だ」

「俺様の予想に盲点はないわい!」

「お前先週1万負けたって言ってたじゃないか」

「アホ、相手はお馬さんや無く人間相手やぞ、簡単なもんや無いか、話聞けるのに」

「雄一郎は馬と話し出来てもハズしそうだよな」

「なんやとー!」

準備の打ち上げとして部室でパーティーをやっている。

掛ける事は出来なくなったが、入場者一人一人に1レースごとの無記入の馬券ならぬ人券をわたす。
馬番連勝ならぬ人番連勝で、その番号が1着2着に来たら当たり。
レース締め切り1分前までにクラブ員に番号のはんこを押してもらう。
当たったら景品プレゼント。

最終レースをG-1として景品のグレードをUPした。

景品?

食堂のきつねうどん券(300円分)。

G-1がAランチ券(500円分)

何?全員当たったらどうするって?

無理無理。

単勝ならありえるけど2着まで当てなんてそう簡単に当たらない。
その辺は潤也の計算力が生きた。

「絶対原価割れは無い!」

第一最悪明日の予想大会で嘘予想だって出来るしな。

ま、そんな真似しないでも当たらないって。

素人で全員当たるんなら俺ら競馬でこんなに負けないって(泣

準備も万端でいよいよ文化部び最大のイベント文化祭が始まる。


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