数分後



「おお、悪かったな」

「いきなりどうしたんだよ、雄一郎」

「クラスの女子に手伝えなくなったって言ってきた」

「何で?」


「観登の友達狙いや」

「は?」

「観登の友達釣る」

「??」

「可愛いって言ったんやな」

「ああ、まぁアテにならんと思うがな」

「それでもいい、他校との女と付き合ってると言うこの『付加価値』そして女子高と言う『ブランド』 俺はそれに今日すべてを掛ける」



お前文化部の部長なのに文化祭ですべてを掛ける相手間違ってるだろ。



そこからの雄一郎の行動は奇妙の一点張りだった。

部室の掃除。

予想大会の練習。

予想大会の告知と呼び込み。

財布の中身の確認。

まぁ最後はいたって分かり易いか。




「あ、ゴム無いわ」



学生服でどこ行く気だ馬鹿。



「天斗〜〜」

そうこうしている内にドアが開き、観登と数人の女が入ってきた。

「すごいでしょー、今日は迷わなかったんだよ」

「大方友達に案内してもらったんだろ?」

「なんでわかったの!」

「天斗、俺ちょっと裏行ってくる」

「あ、ああ」

すたすたすた

ばたん

準備室に入った雄一郎










来たーーーーーーーーーーーーーー!



雄一郎、絶叫こっちまで聞こえてるぞ。

ばたん

すたすたすた


「えっと観登、そちら様は?」

「あ、師匠、えっとね、私の友達のゆうきちゃんとりんちゃんとめぐみちゃん」

「こんにちは〜〜」

「どうも、部長の田原です」


こいつ部長を強めに言いやがった。


「あ、よく聞いてますよ〜」

聞いてるのか。

「あ、観登ちょっと」

「え?何師匠」

「ぐっじょぶ!」



雄一郎の気に入る女がいたようだ。





それも複数。



「ま、こんなとこにいてもまだ何にも無いしどっかいこーや!」

自分の部室をこんなとこ呼ばわりしやがった。

「え?案内してくれるんですか?」

「するする!」

わいわいわいわい


・・・



あの野郎、まだ交代時間じゃないのに逃げやがった。
それも悪意無く。


「行っちゃったね」

「あれ、観登行かなかったのか?」

観登は一緒に行かなかったようだ。

「え?何で?」

「いやいや、せっかく来たのに遊ばなきゃもったいんないじゃないか?」

「皆は遊びに来たんだと思うけど私は天斗に会いに来たからいいんだよ」

「会いに来たって・・・まぁよくわからんが来たんならゆっくりして行け」

「うん、で、何してるの?」

「んー、それがすることは全く無いんだが」
+
「へ?」

「いや、予想大会って言って明日俺らが主催するクラブ対抗レースがあるんだけど、それの予想が3時からなんだわ、それまで自由にしようぜって2交代制でうろうろする事になったんだけど、俺と雄一郎は昼からの予定なんだよ。」

「師匠行っちゃったよ?」

「ああ、ヤツは全く悪気無く全く自然に出て行きやがったな」

「どうするの?」

「まあいくらなんでも3時半には帰ってくるだろ」

仕方ない、武士の情けだ。
今回ばかりは見逃してやる。