数時間後



ぷるるるる
ぷるるるる

きっと観登だろう。


「もしもし」

「あ、天斗?」

「ああ、母さん」

母親だった。


明日の文化祭の事が気になって電話してきたらしい。

10分くらい話をした。

「で、いつ帰ってくるの?」

「来週の週末はそっちに帰るから」

「鍵忘れんなよ、この間みたいに」


がちゃり

さて、メシ食うか。



るるるるる

お?母さん何か伝え忘れたのか?


るるるるる


「もしもし?」

「もじもじ」

涙声の相手。

「ほじのさんのおだくでじょうが?」

「ほじのさんではなく星野さん宅だ、観登」

「よがったーー」

「何泣いてんだよ」

「がえっだかだ、でんわじだら」

「とりあえず落ち着いて話してくれ」

「うん」



ぶびーー

鼻かんだな



「もしもし?」

「やっと落ち着いたか」

「電話したらつながらなくて、心配で心配で」

「・・・話中の音鳴らなかったか」

「・・・・・・・・・ああ、そうか話し中か!」

日本人として忘れる事は無いと思うぞ、そこは。



「電話が焼け落ちるくらい家が燃えたのかと思った」


どんな妄想だそれは。

「だってさー、普通に鳴ってとらないならわかるけど何か変な音鳴ってるしさー」

話中の音を変な音って・・・

「無事家に着いたんだな」

「うん、今日は付き合ってくれてありがとう!」

「それは俺の台詞だ、あんまり楽しくなかったろ」

「すごく楽しかったよ〜〜」

「変なヤツだな」

「でね、明日も行こうと思うんだ」

「馬鹿か、自分の方行っとけ」

「でもつまんないんだよ」

「雄一郎が言うにはお前の学校の文化祭のチケットプラチナらしいじゃねーか」

「変な男がいっぱい来てしんどいんだよ」

「どんな?」

「だってさ〜、カメラとか撮られるんだよ」

「へぇ、どんなカメラ?すごいカメラとかカメラ小僧みたいなのが来るのか?」

「大きなビデオカメラ、白いテープでSUNとか書いてたカメラだよ、去年は」






テレビ局じゃねーか。


「行ってもいい?」

「そりゃかまわねーけど」

「じゃあいく!」

大丈夫なのかね?

「ま、午前なら部室、午後なら競技場にいるから」

「うん、じゃあね!また明日!!」


がちゃり


変なヤツだな、男が来るなら自分のとこ行けばいいのに。


飯を食い、雄一郎に電話してベッドに入る。

いよいよ明日だ。

そう考えると眠れない。

いよいよ明日。

学校を巻き込んだ一大イベントが始まる。




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