第五章
競馬同好会的文化祭二日目
4時
5時
5時半
すべての時間に目が覚める。
理由はわかっている。
今日の俺たちの同好会の出し物のせいだ。
楽しみだ。
ものすごく楽しみだ。
しかし
言いえぬプレッシャー、いやすでに恐怖感か。
学校全体が俺たちの催し物を楽しみにしている。
失敗は出来ない。
どうせ寝れないのでさっさと起き、朝ご飯を食いながら競馬新聞を見る。
しかしいつの間にか今日の催しの方のレースの予想紙を見ている。
どうせ今日は7時には学校に行かなきゃいけないから丁度良いと言えば丁度良いんだが、どうにもけだるさが残る。
やることも無いので6時ちょっとに家を出る。
いつもの坂を上って学校へ。
今日は校門を特別に早く開けてもらう事になっている。
しかし開けてもらうのは7時。
校門で皆を待つ事になるかな?
坂を上りきって門まで来たらすでに開いている。
時計を見る
6時40分
おかしいな、早めに開けてくれたのかな?
好意を素直に受け取り部室へ。
部室まで開いてやがる。
がらがらがら
「おっす」
「なんだ天斗、お前も眠れなかったのか?」
声の主は篤だった。
「と言うことはお前らもか」
「さすがに緊張も興奮もするっての」
潤也が笑いながら話しかけてくる。
一番乗りは潤也だったそうだ。
ちなみに6時20分に開けてもらったらしい。
当直の先生もい迷惑だ。
競技場は8時にならないと開けてもらえないからここですることも無い。
「競技場の前まで必要なもの持っていくか」
「そうだな」
潤也の提案に乗る。
机、馬券(人券?)のスタンプ、昨日作った出場者の書いた大きな出場表。
他の色々なものを運び出す。
「結構かかったな」
「ああ、3人だったからな」
「・・・3人?」
3人で目を合わせた。
「篤、今何時だ?」
「7時・・・45分」
「雄一郎が来てないじゃないか!」
潤也が叫ぶ。
あの野郎、こんな日に遅刻とは。
部室に戻り最終の荷物を取り、競技場に向かう。
「おはよう!」
競技場前で雄一郎が待っていやがった。
「雄一郎!てめぇ!」
篤が怒っている。
「すまん!寝坊した!!」
・・・大した度胸だ
その度胸に三人は黙るしかなかった。
競技場を開けてもらい、準備に取り掛かる。
「よう」
声を掛けて来たのは高津だった。
「おお、高津やんけ、どうしたんや?」
「どうしたは酷いな田原、手伝いに来たんだろうがよ」
「なんで?」
「何でってお前、大変だろうと思って手伝おうと思ったからよ」
「自分のクラブのは?」
「ああ、俺らなんか火薬詰めるだけだからな」
本気でやるつもりか、高津。
「そうそう、阪井先輩が是非スターターのピストルの火薬はこれを使ってくれって」
そう言って出してきたのはピストルを鳴らすときの火薬だった。
「阪井先輩がくれるってのが怪しさフルスロットルなんだが」
「怪しさフルスロットルって星野―!まあ確かに大砲級の轟音が鳴り響くって言ってたけど」
「死人が出るわ!」
さすがの潤也も爆笑しながらつっこんだ。
「ダメか、じゃあこっちは?28000ヘルツの音が鳴り響くヤツ。人はせいぜい2万ヘルツまでしか聞こえんから誰もわからんぞ、ネコなら聞こえるからネコが走り出すかな?」
「スタート切れんわ!!」
「マッドサイエンティストやな〜〜」
「それ言われるのが一番嬉しい」
爆笑しながら準備を始めようとした。
「何や?高津も来てたんか?」
声の主は野球部の松林だった。
「おう天斗、手伝いに来たぞ、ありがたいと思え」
「マジで?」
そうこうしてると畑中、中村、岩崎、八木、木村なんかも手伝いに来てくれた。
「皆お前らに期待してんだよ」
「そうそう、運動部が参加できるとかテンション上がるわ〜」
そんなみんなの期待を、思いを胸に準備は定刻より速く終わる。
「じゃあ後で行くわ」
「おお、みんなありがとーな!」
同好会を代表して雄一郎がお礼を言う。
「雄一郎、実況期待してんぜ」
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