競技場の開門は1時
超長距離1年限定新人戦(別名 新人いびり戦)の第一レースが2時
障害レースの第二レースが3時
メインの競馬同好会記念の第三レースが3時45分
なのに11時から場所取りが始まった。
「すごい人気だな」
篤がつぶやく。
「ああ、全くだ」
「ちょっと理科部見に行っていいか?」
「何?天斗見に行くのか?死ぬなよ」
高津の言うように裏庭に行ってみる。
結構見に来てるやつが居た。
どうだったかって?
ああ、アイツは怒らせないようにしたほうがいいって事が良くわかった。
12時30分
門の前で人を整理している潤也が皆を呼ぶ。
「天斗――!来たよーー!!」
潤也の声に続いてアイツの声。
本当に観登が来やがった。
「今日はちょっと増えたよ」
昨日の+3人に加えて二人増えている。
「遠いのにご苦労な事で」
「あ、部長の田原です」
「あ、師匠、えっとね、今日の2人はね、葉月ちゃんとりかちゃん」
「おい観登、ちょっと」
「え?なになに?」
少し離れたところで2人が話している。
まぁニヤけた雄一郎の顔を見ればだいたいわかるわ。
開門の一時になり、徐々に客も入ってくる。
俺たちはみんなの投票用紙に判を押す作業でいっぱいいっぱいだ。
放送部の連中が助けてくれたのでレース前の顔見せ、パドックの解説を手伝ってもらった。
さらに放送部には嬉しい誤算だった事が1つ。
このレースにケーブルテレビと地方局が取材に来た事。
放送部としては知り合いになりたかったらしく、協力をしたいとの事だった。
部長の雄一郎と企画者の俺がインタビューされる。
しかし放送部も楽しくなってきたみたいで
「俺、競馬の実況やりたくなってきたわ!来年は俺に1レース実況させてくれ!」
と放送部の草山が楽しそうに言った。
観登たちにも手伝ってもらい何とか第一レースも遅れずにスタートできた。
第一レース
超長距離1年限定新人戦(別名 新人いびり戦)
距離・・・
5000M
いや〜、選手出してる部だけは盛り上がった。
だって最速の1位の陸上部ですら15分45秒だぜ。
時間掛かりすぎだ。
しかし2位は柔道部が入り大荒れのレース。
顧問の先生まで負けたら殺すってグラウンドから声掛けてるんだもんなー。
1年の山下、泣きながら走ってた。
しかしかわいそうなのは篤だ。
18分も実況させられたんだから。
「そんなに動きもないからもうゴール前まで黙ってていいですか」
って流れた時は走者も笑ってたもんな。
「これで絶対同好会の負けはない!」
潤也が計算をして喜んでいる。
だって的中者は柔道部の15人だけだもの。
第二レース
対抗レース(ハンデ戦)
各部対抗競技用着着用レース
400M陸上部500M
何のことかわからないって?
各クラブの服で走ってもらうレース。
空手部は空手着
柔道部は柔道着
といった感じ
「しかしまさか出て来てくれるとはなぁ」
雄一郎が最強にやらしい顔で見ている。
「まったくですなぁ」
篤が同意する。
新体操部と水泳部の女子がなぜか参加。
「どうだ田原!」
「おお、女神様の和泉!」
水泳部の和泉が笑顔で近づいてきた。
「何?お前が出させたわけ?」
「ありがたく思えよ、星野、水泳部がでたから新体操も出たんだぞ」
なるほど、ライバル心か。
ぎゃっはっはっは!!
大丈夫かおい!
頭おかしいぞ!!
そんな水着達を破壊するほどの爆笑が生まれている。
剣道部の石井である。
防具だけでは飽きたらず、ご丁寧に竹刀まで持っての参加である。
「いいな!負けそうになったら打て!抜刀を許可する!!」
「オス!不肖石井!栄冠をわが部に掴んで参ります!!」
全く物騒である。
さらに文化部異例の出場として吹奏楽部からはパレードのときの衣装でトランペットを持っての登場である。
「コスプレみたいだね!」
「わたしもこの学生服で走りたいですー」
観登とあいちゃんが楽しそうにはしゃいでる。
「出たらエエやん」
雄一郎が保護者枠での出走を勧めた。
「そうだな、結局誰も出なかったし、良いんじゃないか?」
「そうそう、馬券対象に含めなければ良いんだから」
「出るーー!」
「私も出たいです〜〜」
観登とあいちゃんが出るそうだ。
投票も締め切り、出走準備完了
ぱーん!
おっ陸上部早いな
100Mのハンデは短いかな?
「ハンドボール部先頭だ!2番手にラケットを振って男子テニス部が付ける!剣道部気持ち悪いくらい早い!がしゃんがしゃん言いながら先頭に食らい付く!陸上部上がってきた!陸上部上がってきた!しかし前が止まらない!ハンドボール部先頭!二番手には剣道部だ!剣道部だ!竹刀を振り乱し!防具を持ち上げながら剣道部二番手!陸上届くか届くか!!!」
ぱんぱん!
「一着!ソフトボール部!二着に奇跡の剣道部――!三着は陸上部!しかしまだゴールしていない組があります」
「しかしあいつら走る気ねーな」
「いつもあんなのですよ」
りんちゃんが答えてくる。
観登とあいちゃんが新体操部の藤田を巻き込んで手をつなぎながら観客に手を振ったくるくる回りながら小走りしてる。
客も大いに沸いている。
三人抱き合いながらゴール。
「いまやっとゴールです、新体操部と保護者枠の観登とあいちゃんjお疲れ様でした。おっと、一名競争中止ですね、吹奏楽部が競争を中止しています」
グランド半ばで吹奏楽部の丸橋が倒れている。
ご丁寧にトランペットを吹奏しながらの走りだった。
酸欠だろう。
ぷえ〜〜〜
最後の笑いをと倒れた状態でトランペットを吹くも力弱く、それはまるで屁のようになってしまった。
場内爆笑。
剣道部が2着に入ったのでまたも的中者が少なかった。
しかしいるモンなんだな、的中者。
普通剣道部とか買うか?
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