「競馬、無理だなその格好じゃ」
潤也が笑う。


「てか寒い、しかし無意識に走っちまうもんだなー、水が冷たいだろうなとか気にしなかったぜ」


「ホンマやで、人間ってああ言う時って全くの無意識で助けようと思うもんやねんなー」


「俺たちのジャンバー着とけよ、少しくらいは足しになるかもよ」


篤と潤也が自分の上着を俺たちに差し出した。


「土曜日の家族連れが多かったから囲まれたな〜、そう言えばビデオにとってたのも居たぞ」
と潤也。


「なんやと!俺たちの善意を見せモンにするんかい!悲しい心の持ち主もおるもんやで!ってゆーか肖像権の侵害や!金よこせ!!」


「お前が余りまともな事言うから変になったのかと思ったぜ、いつもの雄一郎でよかった」


みんなが大爆笑した。


競馬は行けなかったけど良い事したから良かったかもな。


しかし川沿いってのは風がきついな、ますます体が冷えちまうぜ。


30分ほど掛けて雄一郎の家にたどり着いた。


「流石に明日はテスト一日前だしやめとこーぜ」


「そうだな、じゃ、また明後日」


そう言ってみんなと別れた。


家に帰ってすぐに風呂を沸かした。


早く沸け、寒い!


・・・


いや〜、暖まった。


そうそう、競馬競馬。


おお、気づいたらもうすぐメインレースの時間じゃないか。


どれ、競馬に行ってたら当たってたのかな?


・・・


畜生、7.8.9レース3連複で当たってるじゃねーか!


子供助けずに競馬行ってたら大儲けだったのか。


情けは人のためならずって嘘だな。


情けかけて大損しちまった・・・。


で、東西メインも予想ドンピシャ。


何なんだよ、今日は。


こんな日一生に一度あるか無いかだぞ。


・・・


ふう最終レースは外してたか。


良かったよ、最終まで当たってたら溺れてた子の親んとこ行って損害賠償請求する所だったぜ。


・・・


自分の予想が外れることを祈る日が来るなんて思わなかったわ。


さて、折角だしテスト勉強でもしようかね。

時間も出来たんだし。


意を決して勉強する。