・・・


目が覚めた


・・・


どこここ?


気がついた!


どこかで聞いた声


「よがっだよーーー」


その声は観登だった。


「良かったよ、死んでなくて」


そう言ったのは美幸だった。


「何で二人が、てかここどこ?」


「あんた救急車で運ばれて今入院してるんだよ、意識なかったから知らないだろうけど」


「どうやって?」


げふげふ

咳き込みながら聞いてみたけど、しんどくて長い言葉は出しにくかった。


「この子が天斗の家の前で大声出して泣いてたんだよ、天斗の家のドアバンバン叩きながら、てっきりお前がまた女にひどい振り方でもしたのかと思ってほっといたんだけどさ、どうも様子がおかしいから出て行って聞いたら天斗が倒れてるとか死んでるかも知れないって言うから預かってた鍵使って開けたんだよ、そしたらほんとに倒れてたから救急車呼んだわけ」


「そうだったのか、で、今何時?てかいつ?」

そう言いながら体を起こした。


「日曜日の夕方6時半」


「・・・今日、げふげふ・・・メイン何来た?」


ぼぐ!


「いて!」


美幸に頭を殴られた。


「人が心配してやってるのに礼の前に競馬かよ!」

美幸が少しだけ笑った。


「冗談だよ、照れくさいじゃないか、素直に礼言うの」


「死んだらよかったんだ、お前なんか」


「二人とも、ありがとうな」


「ううん、いいんだよ」


観登はまだ涙声だ。


「ま、生き返ったみたいだし、私は帰るわ、観登ちゃんもゆっくり話がしたいだろうしね、邪魔者はきえますよっと」


「美幸、ほんとにすまなかった」


「気にすんなよ、学校には私が話とくよ」


「あ・・・試験・・・」

明日から試験だった。


「試験たってあんた肺炎なんだよ、しばらく退院できないから」


「マジで?参ったな、ダブり決定かな?」


「さあな、でも仕方ないじゃん、受けられないんだから、追試でもしてくれるんじゃないか?」


「だったらいいけどな」


「ま、こっちは任せとけ、うまい事伝えてやるからゆっくり体休めとけよ」


「さんきゅ」


「じゃあな」


そう言って美幸は帰っていった。


「観登が気づいてくれたのか?」


「うん、昨日あの後師匠にも電話してね、そしたら師匠熱あるって言ってて、天斗も熱あるかもって言ってたからね、やっぱりそうかと思ってね。電話してて変だったんだもん、昨日の天斗」


観登は少し落ち着いたようだ。

涙声も消えている。


「朝気になってね、8時くらいに電話したんだ、電話してもいいって言われたから。そしたらまだ寝てるのか電話に出なかったからね、9時と10時に電話したんだ。 そしたらやっぱり出なくて、心配になって飛び出して来ちゃったんだよ」


「どうやって俺の家がわかったんだ?」


「覚えてないんだね、昔、何回か天斗の家に行った事があるんだよ、子供の頃ね、まだ住所が家の電話帳に書いてあったよ。 おじさんに電話して引っ越してないか聞いてね、飛んで来ちゃった」


「そうだったのか、でもわざわざ遠くまで本当に悪かったな」


「でも良く考えたら師匠に聞いたら良かったんだよね、それに師匠に行ってもらった方が早く天斗楽に出来たかもしれないね、私混乱してたから一番遠い方法取っちゃった」


「雄一郎も風邪だろうからな、迷惑かけられないよ、観登は命の恩人だな、そのままだったら本当に死んでたかもしれない、本当にありがとな」


そういったら観登の目からまた涙があふれた。


「天斗、死んじゃうかもって思って・・・電車でも・・・泣いちゃって・・・」


「・・・」


「先生にもう大丈夫って聞いて安心して泣いちゃって・・・涙ももう出ないと思ったのに・・・」


「・・・」


「天斗にお礼言われたら・・・なんでか・・・また・・・」


ぽろぽろ涙を流してる観登。


「ごめんね、ごめんね」


「泣かなくていいんだよ、第一謝る必要もねぇ」


「・・・うん」


「謝るのは俺だ、心配してくれたんだよな、雄一郎に聞いて、心配してくれて遠くからわざわざ来てくれて、俺を助けてくれて・・・ありがとな」


「いいんだよ、天斗が元気になってくれたらそれでいいんだよ、でもね」


「どうした?」


「美幸ちゃんが言ってた様に、私そうとう天斗の家の前で泣いて・・・騒いでたんだ、ドアとかガンガン叩いたり。 美幸ちゃんの言うように・・・天斗が変な振り方してへんな女が来た!みたいにご近所さんに思われてるかも・・・ね。天斗が酷い男みたいに思われちゃったかも・・・しれないね」


「・・・いやぁ・・・それはリアルに嫌だな」


「ま、天斗にはそんな人も居ただろうから〜前例もあって〜ご近所さんにもそう思われるんでしょうけどぉー」


「ンな訳あるか!女嫌いだって言ってんだろーが!」


「だって美幸ちゃんもそう思ったって言ってるって事は〜、過去にも同じような事があったって事じゃないの〜ぉ?」


ミントは疑惑の目でこちらを見ている。

RPG風に言うとそんな感じだ。


「無い、女と付き合う事から無い」


「じゃあ男が好きって事?」


ミントは真剣に聞いてくる。


「それだけは無い、本気で無い、ホモは嫌だ、そう思われるだけでも嫌だ」


途中咳き込みながら必死に弁論した。


「ホモじゃないならいいや、まあ本当に居なかったって事にしといてあげる」

観登は笑いながらそう言ってきた。


「なんだかなぁ」


「安心したらおなか減っちゃったよ〜」


「どの件で安心したかわかんねーよ」


ホモ疑惑なのか俺の体調の方なのか・・・