時計を見たら19時45分


「なんか買いにいくか?」


「寝てなさい!」


「あ、そうか」

病人だったしここ病院だった。


こんこん


そう言ってたらお客さんが来た。


「はい」


見たことの無い女の人が立っているのと、その後ろに見覚えのある子が立っていた。


そう、昨日溺れてた子だ。
無事だったんだな、良かった良かった。


何でも雄一郎に電話したら俺が入院したって聞いてここにわざわざ来てくれたらしい。


男の子が本当に申し訳なさそうに何度も謝っている。


全然気にするなと男の子に言っておいた。


「でもこのくそ寒い中釣りはやめとけよ、俺みたいに入院する羽目になるぞ」

笑いながらそう言っておいた。


聞かれたので親の連絡先を伝えておいた。

何でも向こうさんの子供の保険で俺の今の入院費が出るらしい。


交通費も領収書取っとけば出るんだって。



すげーな保険。



親御さんも何度も謝って帰っていった。


「良かったな、あの子元気で」


「・・・天斗、やさしいんだね」


「え?」


「自分はあの子のせいで入院してるのに、あの子が元気でよかったとか」


「馬鹿、入院したのは自分のせい、俺があの時一緒に救急車に乗ってれば体冷えなくて済んだんだろ?あの子のせいじゃねーよ、俺の判断ミスだ」


「そうかな?それでも優しいと思うよ」


「優しくなんかねーよ、普通だよ」


・・・なんか変な雰囲気だな


「そ、それより雄一郎に言っといてくれたんだな、入院した事」


「うん、師匠に言っとけば色々大丈夫と思って」


「大正解だよ、助かった」


「天斗のお母さんには美幸ちゃんのお母さんが電話してくれてるよ、安心してね」


「本当何から何まで助かるわ」


「でも良かったね」


「何が?」


「入院費、出るんだって」


「それよりよー、試験受けれなくてダブったら来年の学費をその保険で出してくれねーかなー」


「それは天斗が悪いんだよ」


「・・・それよりさ、ハラ減ったんだろ?俺出すからなんか食って帰ってくれよ・・・」


そこで気づいた


「財布を忘れてきた」


てか俺自身に意識が無かったんだから仕方ないか。


「あ、それはさすがに気づかなかったよ、ごめんね」


「いや、謝るのおかしいし、第一俺の財布何処にあるかわかってるほうが怖いし・・・ま、テーブルの上にどーんとおいてるけど」


「明日持ってきてあげるよ」


「いやいやいやいや、それは悪い!観登の家は遠いんだし、時間も電車代もかかる!美幸に持ってきてもらう!」


「いいよ、どうせ明日からうちもテストだから早く終わるし、心配だし、どっちみち来るつもりだし」


「大丈夫だって!だっておめー、他に欲しいのあるもの、下着とか、さすがにミントには頼めないわ」


「美幸ちゃんだったらいいんだー」


「用意してもらうのはおばさんにだよ、美幸に持ってきてもらうだけだから・・・でもどうせ来てくれるんだったら家に行ってもらえば交通費出るのかな?行ってもらわなきゃ駄目だったんですとか言ったら・・・」


「じゃ、決定だね、美幸ちゃんのお母さんに私が取りに行くって言っておいてよ」


「・・・わかった申し訳ないけど観登にお願いするわ、じゃあ電話しとく・・・って電話する小銭もねーや」


観登に千円借りた。

「何から何まですまねぇ、じゃあ伝えとくよ」


「じゃあ、明日ね」


観登が席を立つ。