「畜生、もうたくさんだ!」

ケンタが叫んだ。

「暗黒神だ? 聖なる血だ? もう守るとか知るもんか!」

ケンタはクライの剣で自分の左手首を切る。

血が流れ落ちる。

「仲間がやられてるのを眺めていられる俺はず太い神経もってねーんだよ! 俺に力があるなら出しきってやる!」

血が流れ落ちるところにはケンタが描いた魔法陣と祭器があった。

「聖なる神 ファリスよ! 我を受け皿とし、大地に復活せよ!」


魔法陣は白い光に包まれる。

さすがに純粋な血だ、ファラリスよりも早く実体化する。

「俺に乗り移れ!  ファリス」

「やめろ、魂ごと吹き飛ぶぞ」 ホ

「いいからお前は続けろ、ホッホー」 ケ

やがて実体化した神がケンタに乗り移り出す。

「甘いな」

時間が足りなかった。

ケンタはくろねこの黒魔法により吹き飛ばされ、召喚は失敗に終わった。

「ケンタ!」 ホ

「ファリスよ…我の仲間を……手助け」

最期に仲間の無事を祈りつつ、そこでケンタは息絶えた。

「ケンター!」 にゃ

「シェオル、ハデスだ」

「なんだ、それ?」 ホ

「悪魔も焼き尽す炎だよ、灼熱の炎ならきっと神も」

指輪は言う。

「ならあそこに叩き込んでやる、にゃんこ、俺に続け」

俺とにゃんこはじりじりマグマの吹き出す穴に近付く。